海彦ランチ

忘れもしない一本の電話

海彦を開店してすぐの頃…

 

思っていたよりもお客様に来ていただき嬉しかった反面、
お客様の感想はどうなのか気になっていた。

 

日に日に増えていくお客様。

 

 

そんな中、一人で年配男性がやってきた。

 

その男性はたしか、海彦定食を食べたはず。

 

忘れもしない一本の電話

 

 

 

 

 

定食をお出しするのにそう時間はかからなかったと思う。

 

 

男性は残さず食べてくれたが、早々にお金を払って出ていった。
それもレジで支払うのではなくカウンターにちょうどの金額を置いて。

 

それもあってか、その男性をとても良く覚えている。

 

 

その日のランチ営業を終え、夜の居酒屋の準備をしていたときのこと…

 

 

 

一本の電話が鳴り、私が出ると…

 

 

「今日昼に食べに行ったものですが」

と。

 

 

ドキッとした。

 

 

絶対にクレーム。

もしくは、何かやらかした。

 

 

と瞬時に冷や汗。

 

 

 

続いて男性は

「今日の定食がとても美味しかった。忙しそうですぐに帰ったので、それを伝えることができなかったから。それだけ伝えたくて。ありがとう。」

 

と言ったのです。

 

ピンッ!とあの男性だとわかった。

 

 

わざわざ電話をしてでも伝えたいと思ってくださったことに本当に嬉しくて涙が出そうだった。

 

精一杯の感謝を込めてお礼を伝える。

 

そんな素敵な粋なことをする男性に感動。

 

この電話は私にとって、自信と頑張る糧になった忘れられない一本の電話です。

 

 

忘れもしない一本の電話

 

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